カビてしまった羽毛ふとんをお仕立て直し・リフォーム【ORIMOTO製】

公開日:
更新日:2020年04月14日
横山
こんにちは!
神奈川県川崎市多摩区登戸にある半ざむ向ヶ丘遊園本店の横山です!

お客様より
「羽毛ふとんの側生地にカビが生えてしまったので打ち直しをお願いしたいのですが、可能ですか?」

とお問い合わせのお電話がありました。

ずっと収納していたわけではなく、普通に使用していたところ、カバーを掛けかえる時に気付いた様です。

カビてしまった羽毛布団リフォームの事例

その後、実際にお店にお持ち込みいただいた羽毛ふとんがこちらです。

持ち込まれた羽毛布団

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ORIMOTOタグ

使用年数をお伺いしたところ、正確には分からないが、10年以上は経っているとの事で、品質表示タグの印字は薄くなってしまっていたものの、かろうじて読み取れる状態でした。

商品表示タグ

羽毛布団の状態をチェック

側生地は綿100%で、中のダウンはハンガリー産のマザーグース93%という表示でしたので元々のランクとしてはかなり良い羽毛ふとんだったようです。
お客様が一番気になっていた側生地のカビの状態を診ていきます。

側生地の具合

黒い点々が見受けられ、やはりカビが生えてきてしまっていました。

羽毛布団に限らず、布製品に1度カビが生えてしまうとクリーニングなどで殺菌しても、漂白をしない限りは黒くなった色は落ちません。

お客様に普段のお手入れ方法などをお伺いしたところ、1度も干した事がなかったみたいです。
羽毛ふとんの側生地に使われる繊維は、一般的には綿・ポリエステル・リヨセルなどが多いです。

ポリエステルなどの化学繊維には吸湿性・放湿性がほとんどなく、綿には、吸湿性はあるが放湿性に乏しいという特性があります。

ですので、側生地にたまった湿気を飛ばすためにも、最低でも1週間に1度、掛ふとんカバーを掛けた状態で、日がまだ高くならない午前中に表1時間・裏1時間、計2時間程度外に干していただくことをおすすめします。
ただ、住宅環境などで、外に布団を干せない場合は、部屋の中で風通しをして、湿気を飛ばしてください。

ダウンの取り出してリフォーム可能かを診断

話を診断に戻しますが、次は、リフォーム(打ち直し)可能かどうか、どのような内容でお仕立て直ししたら良いかを判断するために、中のダウンの状態をしっかり診ていきます。

取り出したダウン

取り出したダウンがこちらです。

所々、茶色っぽい、グレーがかったダウンが見受けられますが、これは元々の色で「シルバーグース」という鳥のダウンなので、決して汚れている訳ではないのです。

状態としては、ダウンがちぎれる『ファイバー化』しているダウンは少なめでしたが、ダウン同士が絡み合って出来てしまう、『玉ダウン』状態のダウンがちらほら見受けられました。

玉ダウンはダウン同士、または、ダウンとフェザーが数個〜数十個雪だるま式に絡み合っていくので、徐々に、羽毛布団のカサが出にくくなってしまいます。

長年使用すると、玉ダウンはどうしても出来てしまうのですが、今回のお客様の場合、先述の通り、羽毛ふとんを1度も干した事がなかったので、側生地だけではなく、中のダウンにも湿気がたまってしまい、玉ダウンになりやすい状況でした。

ですので、側生地の湿気を飛ばすだけではなく、中のダウンの湿気も飛ばすために干すか風通ししていただくことが、羽毛ふとんを長持ちさせる秘訣の1つです。

ただ、あまり、長時間干しすぎると、紫外線などで、逆に側生地が傷んで、弱くなることがありますので、1日中外に干しておくことは避けてください。

ですが、この『玉ダウン』は半ざむの羽毛ふとんリフォーム(プレミアムダウンウォッシュ)でほぐす事が出来ます。

プレミアムダウンウォッシュでダウンを綺麗に

ここで、プレミアムダウンウォッシュの工程をざっくり説明させていただきますね!

  1. お布団の生地を裂いて中のダウンを吸い出す
  2. チリや傷んだ羽毛を取り出す
  3. ダウンを専用の洗浄機で洗濯して汗や汚れを洗い流す
  4. 150℃の高温で一気に乾燥させて殺菌。ダウンのパワーも復活
  5. 冷ましながら、羽毛の奥に残っていたチリを除去
  6. 縫製職人が布団の側生地をご希望の生地・サイズ・キルトで仕上げ
  7. 側生地に洗って乾燥させたダウンを詰める(必要に応じて新しいダウンの足し羽毛)
  8. 厳重に検品後、納品

といった工程でお仕立て直ししていきます。
この工程の②と③と⑤で『ファイバー化』したダウンを取り出し、③で『玉ダウン』をほぐします。

診断の結果、カビてしまった側生地は新しい側生地と交換し、羽毛ふとん自体のボリュームは、元のダウンが大きくて品質も良く、玉ダウンはあるものの、傷み具合も問題なかったので、プレミアムダウンウォッシュで打ち直しする事でふっくらさせる事が可能でしたので、お見積もり後、ご注文いただきました。

リフォームした羽毛布団

リフォームの出来上がり

以前よりボリュームが増してふっくらし、側生地もキレイに仕上がりました!

今回実施したリフォームの内容

  • シングルサイズ1.3kg→シングルサイズ1.2kg
  • プレミアムダウンウォッシュ
  • 新しい充填原毛:吉林産ホワイトマザーグースダウン95%を300g充填
  • 新しいお仕立て側生地:綿100%(ラムコ100単サテン織)
  • 側生地のキルト(マス目):6×8マス=48マス
  • 仕上がりダウン重量:1.2kg

側生地は実物サンプルを触ったり掛けたりして比べてもらい、ラムコ100単のサテン織という糸番手の細いしなやかで軽い生地を選んでいただきました。

ちなみに、ラムコというのは、綿の中でも細く柔らかい、繊維の長さが35㎜以上の超長綿の一種です。(通常は繊維の長さが20㎜台の綿がほとんど)

特徴としては、

  • シルクのような上品な光沢
  • 繊維の一本一本が細く長いため、糸がしっか絡まり毛羽立ちにくい
  • 他の綿花に比べ天然の油脂分が多いため、独特の柔らかいしっとりとした風合

などがあります。

100(単)というのは簡単に説明すると、糸の細さの目安を表す番手というもので、数字が大きくなるほど糸が細くて柔らかくなり、生地自体が軽くなります。

半ざむでは60・80・100・150の番手の糸を使った生地をご用意しております。

サテン織というのは生地の織り方で、光沢がありしなやかな生地で柔らかい風合いで人気です。
最後に、出来上がりのダウンの重量を元々の1.3kgから1.2kg仕上げにしたのには理由があります。

48マスでお仕立てする理由

それが、「キルト」です。
羽毛ふとんは、よっぽど特殊な製品でない限り、何マスかの部屋に分かれてダウンが入っています。

これは、ふとんの側生地の中でダウンが偏るのを防ぐという意味があります。

通常、シングルサイズでは横4マス×縦5マスの20マスが一般的です。

ただ今回は、なんと、横6マス×縦8マスの48マスでお仕立てしております。

羽毛布団のマス

マスの数が多くなるという事は、マスの大きさが小さくなるという事です。
通常の2.4倍のマス目にするこのキルトの特徴は・・・

  1. 側生地の中でダウンが移動しにくいので偏りが減る
  2. マスが小さいので、その中でもダウンが動きにくいので、傷みにくくなる
  3. マスの区切りが細かいので体から浮きにくくフィット感が増すので、ダウンの量が少なくても保温力が高く温かい
  4. 軽くてかさばらないので掛けているときは体に負担をかけにくく、オフシーズンに収納するときも省スペース

といったメリットがあります。

半ざむでは、この48マスのキルトを生かした少し軽めの羽毛ふとん『ライトダウン48』というシリーズの製品をオリジナルで販売しております。
興味のある方はぜひ、48マスのキルトの凄さを体験しに来てみてくださいね。

羽毛布団が暑すぎるという方は当店のカスタマイズできる羽毛布団をお試しください。

お客様と一緒に羽毛の状態を見ながら診断し、何パターンかお見積もりを出した中からご納得行くものを選んでお決めいただきました。

大切な羽毛布団の打ち直し・お仕立て直しを半ざむにお任せいただいてありがたい限りです。

元々、お子様が使用していた羽毛ふとんだったのですが、診断の内容を聞いて、良い羽毛ふとんだったので打ち直して奥様が使うとおっしゃっていたのですが、掛け比べて体験をしている間に、ご主人様がラムコ100サテンの生地を気に入って、最終的にはご主人様用の羽毛ふとんに仕立てることになりました。

ふっくら綺麗に仕上がった羽毛布団で「リフォームして良かった」と思いながら快適にお休みいただければ幸いです。

半ざむでは年間120枚程羽毛布団のリフォームを承っております。
今回の様に、東京西川製品が多いですが、他のメーカーの羽毛布団はもちろんですが、最近では、大塚家具さんのダウナ・ダウナプレミアムなどのリフォームもご相談を受けることが増えております。
その他、アイダーダウンの様な特殊な羽毛のリフォームも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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