神奈川県川崎市多摩区登戸にある半ざむ向ヶ丘遊園本店の横山です!
半ざむでは年間100枚近く羽毛ふとんのリフォーム(お仕立て直し)を承っております。
基本的にはプレミアムダウンウォッシュコースでリフォームしていますが、今回新しく「お手軽リフォーム」をはじめましたのでこちらで説明させていただきます。
まず、従来のプレミアムダウンウォッシュの工程を簡単に説明させていただきます。
- お布団の生地を裂いて中のダウンを吸い出す
- チリや傷んだ羽毛を取り出す
- ダウンを専用の洗浄機で洗濯して汗や汚れを洗い流す
- 150℃の高温で一気に乾燥させて殺菌。ダウンのパワーも復活
- 冷ましながら、羽毛の奥に残っていたチリを除去
- 縫製職人が布団の側生地をご希望の生地・サイズ・キルトで仕上げ
- 側生地に洗って乾燥させたダウンを詰める(必要に応じて新しいダウンの足し羽毛)
- 厳重に検品後、納品
といった工程でお仕立て直ししていきます。
プレミアムダウンウォッシュでは、側生地を新しいものに変えるのはもちろんの事、長年使用したダウンのダメージをケアする工程も必要とします。
ダウンの保温力の要ともいえる、『ダウンボール』がちぎれる『ファイバー化』と、『ダウンボール』同士が絡み合ってお団子のようになる『玉ダウン』という2つの現象がおこるのですが、工程の中の⒉と⒌で『ファイバー化』したダウンを取り出し、⒊で『玉ダウン』をほぐしていきます。
詳しくは【ダウンの種類と違い】避けられないファイバー化と玉ダウンを本格リフォームでメンテナンスをご覧ください。
「羽毛ふとんのボリュームが減ってきて保温力が低下してきたので新品の状態に近いボリュームに戻したい」場合や、「汚れやニオイが気になるので中のダウンまでキレイにしたい」場合にはプレミアムダウンウォッシュがおすすめです。
低価格「お手軽羽毛布団リフォーム(打ち直し)」はこんな方におすすめ!【始めた背景】
しかし、最近では、使用年数がそれほど長くなく、ダウンの傷みも少ないがリフォームしたいという方が増えてきております。
理由としては・・・
- 使用してみたら、意外に重くて暑いので、薄めに直したい。
- 全然使ってなかったが、どこかに引っ掛けてしまい生地が破れてしまった。(穴が開いてしまった。)
- ダブルサイズで買ったがシングルサイズにサイズダウンしたい。
- 何年か前に買って数回使っただけで押し入れにしまっていた羽毛ふとんを、また使おうと思ったが、何となく気になるので生地だけでも変えたい。
- 羽毛ふとんの中でダウンが片寄ってしまったので、偏りだけ直したい。
などがあります。
今まではそういった理由でリフォームをしたいお客様にもプレミアムダウンウォッシュをご案内しておりました。
しかし、しっかりダウンのダメージを回復させ、元のボリュームの様にふっくらと仕上げるので、どうしても加工の工程が多くなり、生地を変えるだけでも最低、24,000円+税の費用はかかっていました。
そこで新たに半ざむでは『お手軽リフォーム』コースをご用意いたしました。
低料金お手軽羽毛布団リフォームの内容
この新しいお手軽リフォームコースでは、中のダウンの洗いは一切ありません。
ダウンの傷みはそのままなので、羽毛ふとんのかさの減りがかなり気になるような場合はふっくらとは仕上がりませんが、先ほどの理由で生地だけ換えたいという場合はとってもおススメです!
費用も13,000円+税~と、リーズナブルにお仕立て直しが出来ちゃいます。
このお手軽リフォームは・・・
- お布団の生地を裂いて中のダウンを吸い出す
- 縫製職人が布団の側生地をご希望の生地・サイズ・キルトで仕上げ
- 吸い出したダウンを側生地に詰める
- 最終仕上げをして検品後、納品
という工程でお仕立て直しいたします。
要するに、側生地を新しいものに交換する仕立てという事です。
⒈と⒊と⒋の工程は全て半ざむの店舗内で行います。
特に⒈と⒊の工程は羽毛ふとん専用の機械を使用し、ダウンの吸い出しと充填(吹き込み)を行うので、中々、他の寝具専門店では扱っていない設備なので半ざむならではのコースです。
⒈の工程でダウンを吸い出す際に、側生地に付いたダウンが全部は取り切れないので約7%~10%程度、目減りします。
例えば・・・
元の羽毛ふとんのダウンの重量が1.2㎏の場合、目減り分が約80g~120gなので、最終的なダウンの重量は1.12㎏~1.08kgになります。
ダウンの傷み具合や状況によっても前後いたしますので、目安としてお考えいただき、参考にしてみてください。
どの程度目減りするかは実際に中のダウンを診断してみないと分からない部分ですが、羽毛ふとんの診断・お見積りは無料です。
診断の結果リフォームが難しく、処分するといった場合は、ご希望があれば半ざむで無料で処分させていただきますので、羽毛ふとんでお悩みやご不満がございましたら、どんな些細な事でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
お手軽羽毛布団リフォーム(打ち直し)は安いだけじゃない!
豊富な側生地・サイズ・キルトもお好みでオーダー可能です。
半ざむの羽毛ふとんリフォームで新しくお仕立てする側生地は全て綿100%で柄や糸の細さの違う22種類の中から直接触って選ぶことができ、サイズやキルトなどもお好みでオーダー可能です。
側生地選びのポイント
ここで、側生地選びのポイントをいくつか紹介させていただきますね。
半ざむにご来店いただき、羽毛ふとんのリフォーム希望で診断・お見積りを出す際に側生地の説明をすると9割以上の方が「どうせカバー掛けるから中の生地は安いので良いの!」とおっしゃいます。
ですが、実を言うと側生地選びがとっても重要で、掛け心地はもちろん、暖かさや耐久度にも大きく関わってくるのです。
「掛け心地」でいうと、軽くてやわらかい生地の羽毛ふとんの方が掛けた時にふわぁっと気持ち良いのは皆さまご存じだとは思います。
「暖かさ」はというと、そもそも、羽毛ふとんはなぜ暖かいかというと、中のダウン自体が発熱している訳ではなく、ダウンが人間の体温を蓄えて、また戻してくれるので暖かいのです。
単純に、体とダウンの間の生地が薄ければ薄いほど熱の行き来がスムーズになり、ダウンの性能をより発揮させ暖かいという事になります。
それだけではなく、ダウンには元々、元に戻ろうとする力があります。
ダウンパワーやかさ高、フィルパワーなんて言葉を一度は目にしたことがあるかもしれませんが、まさしくその元に戻ろうとする力を色んな測り方で数値化したものになります。
ダウンは膨らむことでより暖かい空気をふくむので元に戻る、膨らむ力が大きいほど暖かいとなります。
しかし、ダウンパワーなどはダウンそのものの状態で計測するので生地の重さが加味されていません。
ですので、そのダウンの膨らむ力も重い生地だと本来のパワーを発揮することが出来ず、暖かい空気を含む量が少なくなり暖かさが物足りなく感じる原因になります。
「じゃあ軽い生地が良いならポリエステルのような化学繊維を使った生地にすれば良いのでは?」なんて声が聞こえてきそうですが、一概にもそうもいかないのが「耐久度」です。
ここで言う「耐久度」は、「生地がどのくらい長持ちするのか?」です。
半ざむでも100%ではないですが、一部ポリエステルを使った生地の羽毛ふとんを販売しております。
ですが、長年、色んな羽毛ふとんを診断してきた経験上、ポリエステルを多く使った生地の羽毛ふとんは綿100%の生地を使った羽毛ふとんに比べると細かいダウンが中から吹き出してくるのが早いのです。
使い方にもよりますので全部が全部とは言いませんが、ほとんどの場合で同じような状況です。
化学繊維を多く使った生地の羽毛ふとんは安価なものが多く、先日お持ち込みいただいた方は2~3年しか使用してないのにかなりのダウンが吹き出してきていました。
ただ、同じ綿100%の生地でも、使う糸の細さによって生地の硬さが変わります。
硬い生地の方が丈夫なように思われますが、硬い生地は柔軟性が少なく、衝撃に弱いため裂けやすいです。
ですので、半ざむでは軽くて柔らかい綿100%の生地をお勧めしております。
ただ、良い生地でお仕立てすると、当然費用はかかりますので、お任せにしてしまうのではなく、実際に触って、掛け心地も体験して、ご納得したうえでお決めいただくのがベストです。
ダウンの重量も自由にお決めいただけるので、ダウンの重量を減らしてリフォームする事で、冬用の厚掛けの羽毛ふとんを、春先や秋口につかうのにぴったりな合い掛けの羽毛ふとんや、夏に使う肌掛け(ダウンケット)にお作り直しも可能です。
重量を減らして薄くお仕立てする際に、指定した重さがどのくらいのボリューム感になるか分かりにくいと思いますので、その場合は、お店にある実物サンプルを掛け比べて参考にすることもできますのでお気軽におっしゃってくださいね。
ただ安いだけじゃない羽毛布団のリフォーム(打ち直し)を是非ご利用ください
半ざむでは年間約100枚程羽毛布団のリフォームを承っております。
東京西川製品が多いですが、他のメーカーの羽毛布団のリフォームも承っております。
最近では、丸八真綿さんや東洋羽毛さん、月の友さんの羽毛ふとんや大塚家具さんのダウナ・ダウナプレミアムなどのリフォームもご相談を受けることが増えております。
その他、アイダーダウンの様な特殊な羽毛のリフォームも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!